ハモリ我慢ゲーム はDTMにも有益です。

「ハモリ我慢ゲーム」なるものがある。TBS系列で関東では火曜日に放送される
バラエティー番組の人気コーナーだ。

ルールは挑戦者が曲を歌いつつも、そのサビや盛り上がり部分のバックで奏で
られるコーラスにつられずに主旋律を歌いきれるか!? というもの。
毎回多彩なゲストが挑戦しコーラスにつられたり外れた音階で歌い続ける様子が
面白く大人気のコーナーになっている。

音痴さや歌が苦手とする人の歌唱で笑いを取る番組は過去にもいろいろあった。
しかしこの「ハモリ我慢ゲーム」は従来の「歌モノお笑い」とは一線を画す気が
する。

本来、歌はどう歌われようとその曲の一環であるなら構わない。激しかろうと
崩そうと、本気だろうと作為だろうとそれはその曲に含まれた個性だから。

従来の「歌モノお笑い」はその曲の枠を外れ、1曲の完成形がゴールではない。
曲の一翼を担う歌が歌になりきれない未熟さに笑機を見出し、歌い手の未完成の
コッケイさを笑い楽しむモノだ。つまり未完成が最終ゴール。

対してハモリ我慢ゲームは正規のコーラスというバックアップに本来の主旋律を
どれだけうまく載せられるかを競ってる。結果失敗する歌い手の動揺や外した
音階で笑いを取るが、目指すものが完成された曲であるところが大きく違う。
ココで生れるお笑いは完成された曲を目指す上での副産物にすぎない。

ハモリやコーラスは音楽によっては欠かせない。特にPOPSにおいては絶対だ。
アンプラグドに通ずる楽器音を極力排除した楽曲などにはバックボーカルと
しての質が出来に大きく作用する。

コーラスが際立つ有名所はやはり Prince の KISS だろう。もはや骨に近いほど
削がれた楽器音にボーカルとコーラスでウネルグルーブを畳み掛ける。歌の
主旋律とハモリがここまで見事に融合した曲は他に見ない。圧巻。

DTMにおいてもボカロの主旋にコーラスを添わせるのは大事なテクになっている。
2度、 3度と音階を動かし調度のハモリを探る作業は大変だが楽しい。

そんな思いも含め、この番組はいつも欠かさず観ている。自身が歌う場合は勿論、
演奏するにおいてもコーラスに先導されずPlayを全うする練習につながると
思うからだ。特にボーカルを目指す方なら「ハモリ我慢ゲーム」を1度お試しに
なることをお勧めする。

しかしながら、笑いを期待しながらも挑戦者がハモリを外さぬよう願ってしまう
身勝手さは音楽を噛じった者の免罪符かもしれないと、胸中反省も滲む。

「ハモリ我慢ゲーム」
http://163.45.126.3/banana-sand/

 

 

 

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