アレンジに行き詰まったら

音楽に限らずオリジナルの作品をつくるのは実に難しい。小説も写真も絵画も
料理も何でもだ。作品じゃなくても研究、調査にしたって同じこと理解してる。
でもあえてココは音楽に限ったオリジナル曲の話をする。

前回、所詮音楽は誰かの影響を受けているのだから厳密にはオリジナルなんて
ない、・・・とした前回ブログの件はさておこう。私の場合、曲が完成すると
ホッとする反面すぐに「次はどうしよう???」の圧力が自身の内部で沸き
起こる。

つくる前には闇雲に走らず、まずは方針を決め、ターゲットを決め、曲調を
考え、アレンジを考える。次にメロ。決めた方針の中でどんなメロディーなら
受け入れてもらえるか模索する。そして仮詞を付けどうにかアンプラグド的な
とこまで持って行きいよいよアレンジに入る。

このアレンジがクセ者で、どんなに頑張っても自分の引き出し以上のアイ
ディアは出てこない。普段から溺れるほど曲を聴いて自分の中にあるBlack-
Boxに貯め込んでおいてそこからどうにか絞り出す。まるで使い切り間近の
マヨネーズを折って畳んで少しでもひねり出すかのように。

このアレンジという作業は本当に大変なのだが、実は一番楽しい。メロディー
にウネル言葉をどう脚色するか、生かすも〇〇すもアレンジ次第だ。

音楽はよく料理と皿に例えられる。歌が料理で音が皿という事らしい。また
変わったトコではラーメンに例えたのが面白かった。スープがリズム体で
麺が歌。メンマや叉焼はキーボードらしい。主役の歌、つまり麺を楽しみ
ながらも汁やトッピングを一緒に味わっているからだそうだ。

音楽は「詞」ですから! ・・・という御大も時にいらっしゃる。一理ある
とは思うモノの本音は「詞」を超える「音」もあると思っている。それは
大昔に詞の意味なんて分からない洋楽のCDを買いあさった経験からだ。
詞よりもバスやベースのウネリに体が勝手に動いた。電子楽器の音色に
気づくと心を持ってかれてた。 そんな熱い想い出が自作のアレンジに
色を付ける。

そんなこんなで日々「オリジナル」にこだわって歌に曲を練り合わせてる。

それでも、どうやってもいいアレンジ・アイディアが出ない時、奥の手を
使う。自分ルールで条件やハンデを義務して作ってみる。

例えば今回はベース抜きで曲を付ける、や 今回は3点バンド形式で3個の
楽器音だけで壮大なバラッドにする、他にもスネアーは使わない、や
10分以内にとにかく完成させる、などなど。

ちょうどお盆の高速道路の大渋滞の真っただ中で、しばらく続く超ノロ
ノロ時間に抵抗するためにしばらく左足だけでアクセル・ブレーキを
操作する、みたいなヤツ。(良い子は絶対にマネしないでください)

あえて不利な条件を付けて問題に挑むと意外に面白い結果が出てきたり
する。勿論大失敗もあるのだが自作の音楽アレンジでの失敗はほぼ、
他人に迷惑は掛からない。どころか新発見も時にある。

他にも色々方法があるんだろうけどこの「不利な条件付けアレンジ」。
私が有事に一番使ってる手法。

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